今年もついに来た。目がかゆい。鼻がムズムズする。喉の奥がなんとなくイガイガする。そう、花粉の始まりである。
毎年この時期になると、「あれ? なんか埃っぽい?」とか「風邪かな?」とか、一瞬別の原因を疑うんだけど、次第に「いや、これ花粉だわ」という確信に変わる。認めたくないのに、身体の方が先に気づいてしまうのが悔しい。
まだピークではない。でも、「確実に飛び始めてる」 というのが分かる。これは嵐の前の静けさ。今はまだ「なんか目がかゆいな〜」くらいで済んでるけど、あと少ししたら 鼻水が滝のように流れ、くしゃみが止まらず、頭がボーッとする地獄の日々が始まる。既に戦々恐々としている。
街を歩いていても、マスクの装着率がじわじわ上がっているのを感じるし、目が真っ赤な人を見ると、「あ、みんなも始まってるな…」という連帯感が生まれる。ドラッグストアの花粉コーナーが拡張され、「今年の花粉は去年の○倍!」みたいな不穏なワードが飛び交い、どこもかしこも花粉との戦いに備え始めている。
毎年この時期になると、「舌下免疫療法、やるべきだったかな…?」と思う。あれは 花粉を少しずつ体に慣れさせて、根本的に体質を変えていく治療 らしい。ネットで調べると「3年くらい続けたらほぼ治った!」って人もいるけど、「効果なかった…」って人もいるから二の足を踏んでいる。なにより、最低でも数年は継続が必要 っていうのがハードル高すぎる。そして、最大の問題は 花粉シーズンには始められない ということ。
花粉が落ち着いた6月〜12月頃にスタートしないといけないらしく、「来年こそ…!」と思っても、いざ花粉が収まると、すっかり忘れてしまう。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはまさにこのこと。今の自分にとっては花粉が人生最大の敵なのに、シーズンが終わると「まぁ、いっか」となる。この繰り返しで、気づけば何年も経っている。
今年の夏こそ本気で舌下免疫療法を始めるしかないのかもしれない。いや、本当に忘れずに始められるのか、自分との戦いはもう始まっている。
